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工房の主人

-映画を「見つける」までの、長い長い道のり(2/5)-

大陸が教えてくれたもの
一人の男がいた。
スペイン人だった。
「人間、いつ死ぬか分からない」が口癖だった。

どんな教科書よりも深いことを教わった。
夜トイレに行った時、聞こえた。
「日本人の横に座りたくない」
日本人は、その時僕一人だった。

次の日から、そいつに頻繁に声をかけた。
3日目、そいつから話しかけてきた。

どでかいオーストラリアの大地より、感動した。


また、一人
外国に行けば何かが見つかる、そう思ってた。

何もなかった。
それを知ることができた。

旅をした。
ヒッチハイクをして、野宿をした。
日本を見たくてたまらなかった。

ギターを始めた。
ハーモニカを吹いた。
絵を描いた。
旅を続けた。

何かしたい。
何かしたい。


見つけた!?
新聞の小さな記事を見て、オーディションを受けた。
学生の英語劇。

不思議だった。
どうやって彼らは、やりたいことを見つけたんだろう。

同じ方向性を持つ人間が集まっている。
今までにない感覚だった。

気付いたら、夢中だった。


そして、留年した。

あれもこれも試したい!
1年半バイトで貯めた金がある。
何かしたい。

そうだ、やつに会いに行こう。
ニュージーランドを一緒に旅したやつに。
やつには子供がいた。

奥さんがいて、夢があった。
僕には、まだ何もない。

きれいな景色が、眼に入らない。

ヨーロッパで絵を描いて実力を試したい。

ドイツで1枚、初めて売れた。
自慢できることが一つ増えた。
うれしすぎて気が狂いそうだった。劣等感が和らいだ。

ただ、それを伝える相手がいなかった。
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